2008年11月27日木曜日

第38課  日本語と国際交流

教えることは教わることだというが、日本語を外国人に教えてみると、彼らから日本語について教えられ考えさせられることが多い。

  「先生、日本人、『さようなら』といいませんね。」

  「へえ?」

  「good byeのことですよ。人と別れるとき、『さようなら』って言うのでしょう。国で習いました」

  「いや、『さようなら』って言いますよ。」

  「でも、学生たち、使いませんね。」

  「何て言いますか。」

  「バイバイ」

   なるほど。親しい者同士、特に若い人たちが「バイバイ」とか、「バイ」とかといって、手を振って別れることが多い。年輩の私などでも使うことがある。幼 児に向かっては当然のように言う。一般の辞典の中には「バイバイbye bye(俗語)『もと、幼児語』さようなら」と解説するのもあるが、掲出していないものもある。日本語教育の教科書にも、普通は出ていない。いわゆる教室 日本語と生活日本語の違う所なのである。

  「先生、『はい』と『ええ』と、どう違いますか。」

  「『はい』の方が丁寧な返事ですね。」

  と答えたものの、それだけかな、と気になった。それで考えてみて気がついた。これは案外大事な問題のようだ。

  まず、「はい」も「ええ」も肯定の返事に使える点では共通している。

  「お土産に果物を持って行ってあげようか。」

  「はい、持って来てください。」

  と言うときの「はい」は「ええ」とも言える。「はい」のほうが、少し丁寧。あるいは、かしこまった感じがあるだろう。

  「作文、もうできた」とか、「明日の会いに出ますね。」とか、「旅行、好きですか?」などと聞かれたときに「はい」「ええ」の両方が使える。ところが、

  「そこにいるのは誰?」「はい、三郎です」

  と言うときの「はい」を「ええ」と言うのは変である。

  「おはようございます」「はい、おはよう」

  「じゃあ、さようなら」「はい、お気をつけて」

  などの「はい」を「ええ」ということもできないだろう。

  これらから考えて、次のようなことがいえるのではないか思う。

   「はい」は、相手の言葉を受け止めたと言う意味の返事なのに対して、「ええ」は、相手の言葉を受け止め、さらにその内容を承認し肯定すると言う意味の返 事である。「誰?」とか、「いつ?」とか、と聞かれるときに、その内容を承認する肯定するとかと言うことはあり得ない。だから、「はい」は使えるが、「え え」は使えない。「おはよう」とか「さようなら」とか、挨拶されたときに、その内容を承認するとか肯定するとか考えること自体、変なものだ。だからこの場 合にも「ええ」は使えない。

  さっきに「はい」も「ええ」もともに使える場合は、「肯定の返事」として「共通している」と言ったが、これは、「はい」が文脈上、自然に肯定の意味をも表すようになっている場合なのだ。

   ここまでが私の一応の結論だったのだが、しかしさらに考えてみると、「はい」にも「ええ」にも、返事ではなくて相槌を打つ用法があって、紛らわしい。承 認してくれた返事、肯定の返事だと思ったものが、単なる相槌だったとしたら、たいへんな誤解を生むだろう。欧米人は、余り相槌を打たないで相手の言葉に聞 き入る傾向がある。相槌を打つにしてもyesの類は使わないようだ。そのため、欧米人から、「日本人はよくyes yesと言うけれども、実は、肯定しているわけでも、賛成しているわけでもない。言うこととすることと違う」と非難されることがある。相槌の「はい」も 「ええ」もyesに当たると思って気楽にyesを使うことが、国際的な不信感を生むもとになる。場面にもよるのだろうが、軽々しくyesを使ってはならな いのだ。

  「先生、『夢を見る』は慣用句ですね」

  と言われてはっとした。慣用句の問題を、留学生を交えて教室で話し合っているときに、ある中国人留学生が聞いたのである。

   慣用句は「決まり文句」の一種だが、例えば,「羽を伸ばす」は、鳥がのびのびと羽を伸ばすと言うもとの意味から離れて、人が制約を脱してのびのびとす る。気ままに振るまうという意味に使われる。このような比喩的な慣用句には、「腹が立つ」(怒る)「心を打つ」(感動する)「鼻にかける」(自慢の種にす る)などがある。

  これらに対して、ごく普通の決まった言い回しの慣用句がある。「電報を打つ」「嫌気がさす」「気がつく」などであ る。これらは比喩的な慣用句とは違って、もとの意味を失っていないが、語と語の結び付きかたが決まっているものである。「夢を見る」もこのたぐいの慣用句 だと言うのである。われわれ日本人にとって,[夢」は「見る」以外のものではない。「いやな夢を見た」「夢に母を見た」などと使う。「夢のない時代」「夢 と知っていながら」などとも使うが、その「夢」自体、「見る」ものと思い込んでいる。余り当たり前で気がつかないでいたのである。

   「中国語では『夢ヲスル』(做梦)と言うんです。『夢を見る』と言わないので、面白いと思いました。」と、その学生が付け加えた。数カ国の留学生を聞く と、中国語式の言い方をする言語もあるし、英語の“dream”のように一語で表す言語もある。日本語式に「見る」を使う言語もある。いろいろだというこ とを教えられた。


词汇Ⅰ
さよなら (3)(4) [寒暄] 再见 = さようなら
good-bye (1) [寒暄] 再见
バイ (1) [寒暄] 再见
年輩 (ねんぱい) (0) [名] 年长
辞典 (じてん) (0) [名] 词典
bye-bye (1) [寒暄] 再见
俗語 (ぞくご) (0) [名] 俗话,通俗说法
もと (1) [名] 原来
掲出する (けいしゅつする) (0) [动3] 揭示,公布,列出
いわゆる (3) [连体] 所谓
案外 (あんがい) (1) [副] 没想到,意外
肯定 (こうてい) (0) [名] 肯定
点 (てん) (0) [名] 点
かしこまる (4) [动1] 拘谨,恭敬
作文 (さくぶん) (0) [名] 作文
変だ (へんだ) (1) [形动] 奇怪,异常
じゃ (1) [感] 那么
受け止める (うけとめる) (4) [动2] 接住,阻止
承認する (しょうにんする) (0) [动3] 认可,承认
自体 (じたい) (1) [名] 本身
文脈 (ぶんみゃく) (0) [名] 文理
一応 (いちおう) (0) [副] 大致,暂且
相づち (あいづち) (0) [名] 随声附和
用法 (ようほう) (0) [名] 用法
紛らわしい (まぎらわしい) (5) [形] 纷乱,混淆
単なる (たんなる) (1) [连体] 单纯
誤解 (ごかい) (0) [名] 误解
欧米人 (おうべいじん) (3) [名] 欧美人
聞き入る (ききいる) (3) [动1] 倾听,专心听
yes (2) [寒暄] 是
類 (るい) (1) [名] 类
気楽だ (きらくだ) (0) [形动] 轻松安乐,随便
国際的だ (こくさいてきだ) (0) [形动] 国际性的
不信感 (ふしんかん) (2) [名] 不信任感
軽々しい (かるがるしい) (5) [形] 轻易
慣用句 (かんようく) (3) [名] 惯用语
はっとする (0) [动3] 一怔,突然
交える (まじえる) (3) [动2] 夹杂
伸ばす (のばす) (2) [动1] 伸展
のびのび (3) [副] 无拘无束,舒舒服服
制約 (せいやく) (0) [名] 必要条件,限制
脱する (だっする) (3) [动3] 脱离,摆脱
気ままだ (きままだ) (0) [形动] 随便,任性
比喩的だ (ひゆてきだ) (0) [形动] 比喻
自慢 (じまん) (0) [名] 自满,自大
種 (たね) (1) [名] 种子,原因
言い回し (いいまわし) (0) [名] 说法,措词
いや気がさす (いやけがさす) (0)+(1) [惯用] 不耐烦,厌烦
語 (ご) (1) [名] 词
たぐい (0) [名] 类,同类
思い込む (おもいこむ) (4) [动1] 坚信,认准
付け加える (つけくわえる) (5) [动2] 补充,附加
数か国 (すうかこく) (3) [名] 几个国家
dream (2) [名] 梦
宮地裕 (みやじゆたか) (1)+(1) [专] 宫地裕 (人名)
三郎 (さぶろう) (0) [专] 三郎 (人名)
…点で (てんで) …得ない (えない) 数か~ (すうか)

词汇Ⅱ
貝 (かい) (1) [名] 贝,贝壳
染料 (せんりょう) (3) [名] 染料
弦楽器 (げんがっき) (3) [名] 弦乐器
売れ残る (うれのこる) (4) [动1] 卖不出去
釣る (つる) (0) [动1] 钓,诱骗
かけ忘れる (かけわすれる) (4) [动2] 忘锁
振り向く (ふりむく) (3) [动1] (转身)回头
トランプ (2) [名] 扑克
提案する (ていあんする) (0) [动3] 提议
行ってきます (いってきます) (5) [寒暄] 我走了
ただいま (4) [寒暄] 我回来了
お帰りなさい (おかえりなさい) [寒暄] 您(你)回来了

课 程 译 文

第 38 课 日语与国际交流
宫地 裕

人说教学相长。在教外国人学习日语时,往往在日语方面被他们所教,受到启发。
老师,日本人不说'XXXX吧?"。
"什么?"
"就是'good一bye'啊,和人分别时,要说'XXXX'吧。在国内学过。"
"不,说'XXXX。"
"可是,大学生们都不用呀。"
"那说什么?"
"XXXX"
是 啊,亲近的同伴,特别是年轻人多说"XXXX"或是"XX"而挥手告别的。像我这样上了年纪的人有时也用。对儿童说就更理所当然了。一般词典也有的解释 为"XXXXbye-bye (通俗说法)〔原为儿童用语〕再见的意思。"但也有的不列这个词,用于日语教学的教材一般也不出现。这就是所谓教学日语与生活日语的不同之处。
"老师,'XX'和'XX'有什么区别呢?"
"'XX'是比较礼貌的回答。"
虽然这么回答,心里却又嘀咕,仅此而已 吗?于是思考一下.发现这似 乎是个忽略了的重要问题。
首先,"XX"和"XX"的共通点是都可以用于肯定的回答。
"XXXXXXXXXXXXXXXXXXXX。(带些水果送给你作礼物吧)。"
"XXXXXXXX(好, 请带来吧)"这时自"XX"也可以改说"XX"。"XXXX"比较有礼貌,或者说有恭敬之感。当被问到"作文写好了吗?'"您出席明天的会吗?"或"喜欢 旅行吗?"等时,"XX"和"XX"均可使用。可是说:"XXXXXXXXXX。(谁在那儿?)""XXXXXX。(诶,是三郎)。"的时候, 把"XXX"说成"XXXX"就不自然了。
"XXXXXXXXXX。(早上好!)"
"XXXXXXXX"(噢,早!")
"C中,合上众中八那么,再见!)"
"XXXXXXXXXX"。(好,请多当心!)等句中的"XXXX"也是不能说成"XXXX"吧。
这么一想,不是可以照下面这么说吗。
"XXXX" 是应酬对方话语的回答,而"XXXX'则是在应酬对方谈话的同时认可其内容并给予肯定意义的回答。当被问到"谁?"或"什么时候?"时,不需要认可其内容 或者肯定什么,所以能用"XXXX"而不能用"XXXX"。说"早上好"或"再见!"这种寒暄话时,考虑认可或肯定其内容本身就不合常理,
所以这种场合也不能用"XXXX"。
刚才说过,"XXXX"和"XXXX"都可以使用的场合是它们在"肯定的答复"这一点上是共同的。但这是指在文理上"XXXX"也自然地表示肯定意义的场合。
以 上暂且算是我的结论吧。可是又一想,"XXXX"和"XXXX"都不仅是答复,还有随声附和的用法,容易混淆。如果以为对方承认了,给了肯定的答复,而实 际上只是单纯的随声附和,岂不要产生重大误解。欧美人倾向于听对方谈话时不随声附和。即使随声附和也不用yes"之类的词。为此,他们有 时责怪说:"日本人常说'ye s''yes'.可实际上既不肯定,也不赞成,言行不一致。"把意为随声附和的"XXXX"和"XXXX"当作"yes"随意使用,是造成国际性不信任感 之源。或许使用的场合也有关系,但切不可轻易使用"yes"。
"老师,'XXXXXXXX'是惯用语吧?"
听了这话,我不由得一怔。这个问题是在有留学生参加的教室里讨论惯用语问题时,一个中国留学生提出来的。
惯用语是套语的一种,有各种形式。例如"XXXXXXXX",它已脱离了鸟儿舒展翅膀的原意,用于比喻摆脱束缚,自由自在、随心所欲的意思。像这样用于比喻的惯用语,还有"XXXXXXXX(感动)
"XXXXXXXX(自豪)"等等。
与 之相反的有极其一般的措辞固定的惯用语,如"XXXXXX(打电报)"XXXXXXXX(厌烦)"和"XXXXXXX(留神)"等。这些与比喻性惯用语不 同,并没有失去原来的意义,但词与词之间的搭配却是固定的"XXXX"也属于这类惯用语。对我们日本人来说,"要"只能是梦见(見)的东西,用 于"XXXXXXXXXXXX(做了个讨厌的梦)""XXXXXXXXXX(梦里见到了妈妈)"等虽然也用于"XXXXXXXXXX(毫无希望的时代 y)""XXXXXXXXXX(明知是幻想)"的说法。但我们仍认定"梦"本身就是"梦见"的东西,司空见惯,所以反而忽略了它。
那位学生补充说:"中国是说'做梦'。一般不说"XXXXXX(看梦),所以觉得挺有意思"。我问了几个其他国家的留学生,即有类似中国式的说法
也有象英语那样用"dceam"一个词来表示的,还有用日语式的"XXXX"的说法。我学到了各种各样的说法。





文法:

1、…点で(は)…
   バイオリンとギターは、弦楽器であると言う点で同じだ。
   中国語と日本語は、漢字を用いる点で、共通している。
   男性と女性は、体力の点で、違いがある。
2、…得る/得ない 
   商品が売れ残ることはあり得ない。
   この工場が閉鎖されることはあり得ない。
   この川で魚が釣れることはあり得ない。

言葉の使用の仕方:

1、いや:『この小説はとても面白いよ。』『いや、僕はそう思わない。』

2、はっとする:駅で、家の鍵を掛け忘れたことにはっと気がついた。

3、嫌気がさす:仕事がつまらないので、会社に嫌気がさした。

4、自体:提案した彼自体、余り積極的ではない。

5、分かれるときと合うときの言葉:ⅱ

ごめんください

いらっしゃい

失礼します

行ってきます

行ってらっしゃい

ただいま

お帰りなさ

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